(社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)は25日、「ホテルニューオータニ」(東京都千代田区)にて、第43回通常総会を開催し、2009年度事業計画書案、収支予算案等を承認・可決した。
09年度事業計画書案では、公益社団法人認定に向けた準備や、会員減少を受けた組織基盤の強化および経営基盤の安定強化、会務運営の効率化と健全な財政基盤の確立を目的に、「事業環境の整備・改善活動」「業務支援業務の実施」「教育研修事業の確立」「会務の総合管理」4項目を事業の柱に挙げた。
「事業環境の整備・改善活動」では、今後さらに市場の冷込みが予想されることから、平成22年度税制改正要望において、適用制限を迎える各種税制特例措置の延長に加え、土地等の長期譲渡所得にかかる基礎控除や良質な中古ストック形成のための特例措置の創設、消費税引き上げの際には流通税の抜本的な見直しなどを要望する。
そのほか、「不動産取引所」の創設を検討するとともに、「不動産取引法」の研究を実施するほか、政策提案型の研究を行なうため、「不動産総合研究所」の設置等を行なう。
「業務支援業務の実施」では、全宅連統合サイトであるハトマークサイトの運営のほか、都道府県協会用のCSVデータシステム、業者間システム等の検討・構築や民間サイトとの提携を検討。
また、賃貸不動産流通・管理業務への対応として、賃貸不動産管理業の法的整備に向けた検討や賃貸不動産経営管理士制度への対応、業務の実態把握や啓発活動等を実施する。
「教育研修事業の確立」では、「研修パックシステム」「不動産総合コース」の運営のほか、全宅連実務セミナーや消費者向け教育研修事業を実施。また、インターネットを活用した新たな教育制度の検討等も行なう方針。
また、「会務の総合管理」として、平成16年公益法人会計基準に基づき会計を処理するほか、公益法人制度に伴う新制度会計の調査検討を実施する。また、同会事業やハトマークに関する広報活動等を実施する。
なお、総会の翌日26日に、記者会見を開催。
会長の伊藤 博氏は、弁済認証額が約2億円増えて約7億円になったことや、会員が3,000名減少している現状について、「市況の厳しさを反映している」との判断を示しながらも、モデルルームやモデルハウスなどへの来場者が増えていることなどを挙げ、「政府の景気対策をどのように生かしていくかが重要」との考えを示した。
また、公益法人改革への対応や、賃貸管理業の整備のほか、消費者保護の観点からも教育研修事業などを強化することで、会員の業務支援に努める方針。
特に、高齢化や後継者不足など、環境のめまぐるしい変化に対応できず
に退会する会員もいることから、さまざまな支援策を検討・実施していく考え。