東京建物(株)とイヌイ倉庫(株)が開発を進めてきた賃貸マンション「アパートメンツタワー勝どき」(東京都中央区、総戸数536戸)が31日に竣工する。竣工に先き立ち、25日、報道陣向けに公開された。
東京都が所有する都営団地跡地を有効活用し、子育て支援施設の整備と環境にやさしい居住環境の整備を目的に開発を進めてきたもの。2008年に行なわれた提案コンペに、両社および東急建設(株)、(財)民間都市開発推進機構の4社グループで応募、当選した。4社出資の「かちどきGROWTH TOWN(株)」が都から70年の定期借地権で土地を借り上げ、建物を建設。東京建物不動産販売(株)が一括借り上げし、転貸する。
同物件は、都営大江戸線「勝どき」駅徒歩2分に立地する、地上45階地下2階建て。1階にコンビニ、レンタルショップ、2階に中央区初となる認定こども園、3階に小児科・眼科などのクリニックが入居。4~11階が子育て世帯向け賃貸マンション「グロースレジデンス」(総戸数100戸)、12~45階は一般賃貸マンション「スカイレジデンス」(同436戸)となる。
「グロースレジデンス」は、未就学児~中学生の子供を扶養する世帯が対象(子供が中学校を卒業した時点で、賃貸借契約が終了する)。間取りは2LDK。専有面積55~64平方メートル。月額賃料を、周辺相場より3割ほど安い13万2,000~15万4,800円とし世帯の負担を軽減。また、玄関にベビーカー等を置けるピッチを設置したほか、可動間仕切り、マグネットコンセント、指はさみ防止扉など、子育てファミリー向けの設備機器を盛り込んだ。敷地内には、地域に開放したプレイホールやラーニングスペースなどを併設、子育て生活をサポートする。10年11月から募集が行なわれており、すでに全戸への入居が決まっている。
なお、「スカイレジンデス」の入居者募集は、2月4日から行なわれる。間取りは、STUDIOタイプ~3LDK、専有面積40~119平方メートル。月額賃料は、14万6,000~58万円を予定。
25日会見した、東京建物常務取締役の柴山久雄氏は「少子化が叫ばれるなかで、官民一体で子育て支援に取り組んでいくことに、社会的使命を感じている。このマンションが子供の歓声に包まれ、子供からシニアまでのコミュニティが育っていくことに期待したい」などと語った。また、イヌイ倉庫代表取締役社長の乾 康之氏は「このマンションが完成することで、勝どきがますます素晴らしいまちに変わっていくと確信している」と語った。