大和ハウス工業(株)は22日、床の遮音性を業界最高水準に高めた新仕様「サイレントハイブリッドスラブ50」を発表。また、同仕様が搭載可能な屋外階段室型重層長屋タイプ賃貸住宅「セジュールウィット-KJ」「セジュールオッツ-KJ」と店舗併用型3階建賃貸住宅「アバンウェル ディッツォ-HV」を、23日より発売する。
「サイレントハイブリッドスラブ50」は、高層ビルで使用される高強度のプレキャストコンクリート板を低層賃貸住宅向けに採用したもの。同板を採用することで、木造および軽量鉄骨造の賃貸住宅では業界初となる遮音性能「LH-50」(重量床衝撃音社団性能)、「LL-40」(軽量床衝撃音遮断性能)を実現。同社従来の仕様と比較して、聞こえる音は3分の1程度となる。
同仕様の販売地域は、埼玉県・神奈川県。他地域に順次展開し、2013年3月までに全国展開する予定。同仕様は、今回発売する「セジュールウィット-KJ」「セジュールオッツ-KJ」「アバンウェル ディッツォ-HV」を含め、全低層賃貸住宅商品に搭載が可能。
「セジュールウィット-KJ」「セジュールオッツ-KJ」は、シングル層、DINKS、ファミリー層など幅広い入居者をターゲットにした賃貸住宅商品。階段を屋外に設けることで、階段昇降時の振動音を抑制するとともに、入居者の動線を分離し、プライバシーも確保する。
本体工事価格は、3.3平方メートル当たり「セジュールウィット-KJ」が36万円台~(税込み)、「セジュールオッツ-KJ」が42万円台~(税込み)。プランは自由設計、販売目標は年間1,000棟。
一方、「アバンウェル ディッツォ-HV」は、重量鉄骨ラーメン構造と軽量鉄骨パネル構造を組み合わせたハイブリッド構造を採用した店舗併用型3階建賃貸住宅商品。
1階部分に重量鉄骨ラーメン構造を採用。最大で9m超の大開口部を設けることができるため、コンビニエンスストアやオープンカフェなど、開放的な空間を必要とする店舗に対応可能。また、スペースを小分けすることで、弁当屋やマッサージ店なども展開でき、30~200平方メートル程度の小規模店舗に対応する。一般的な重量鉄骨3階建てと比較して、2、3階部分を軽量鉄骨パネル構造にしているため、20%コストを削減することができる。
本体工事価格が3.3平方メートル当たり52万円台(税込み)~。プランは自由設計、販売目標は年間150棟。
同日会見した、同社取締役常務執行役員・集合住宅事業担当資産開発プロジェクト部長の堀 福次郎氏は「『サイレントハイブリッドスラブ50』は、今回の新商品を含めて、当社の全賃貸住宅商品に搭載することができる。従来と比べて平方メートル当たり6,000円プラスとなる。賃貸住宅事業は、シェアを伸ばしていくため、今後もサービス付き高齢者住宅や、シェアハウスなどを手掛けていき、市場を開拓していく」などと述べた。