三井不動産(株)は7日、開発を進めている「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)における、今後の事業計画を明らかにした。
同社では、2005年のつくばエクスプレス開業以降、「柏の葉キャンパス」駅周辺の4つの街区を「先行モデルエリア」としてまちづくりを推進。8日にグランドオープンする「ゲートスクエア(GATE SQUARE)」のグランドオープンまでを第1ステージと位置づけ、以降30年までを第2ステージとし、トータル約300万平方メートルにわたり、まち全体のスマートシティ化を進めていくとともに新たなまちづくりを推進する。
事業推進のテーマを「多様なプレイヤーが次々とイノベーションを起こす街」とし、職・住・遊(商)・学(研)の機能を融合した、「ミクストユース」による複合開発をすすめ、昼夜人口のバランスの最適化を図る。
ライフスタイル提案型の複合商業施設「柏の葉T-SITE(仮称)」を16年に開業、住民、就業者、大学関係者の交流場所としても機能させる。
また既存の調整池を活用し、自然共生型の親水空間を整備。水辺にオープンテラスなどを設置して、交流の場とする。
さらに、柏の葉に立地する東京大学、千葉大学、国立がん研究センターなどの学術研究機関と協働し、産学連携および医工連携により、次世代産業創造拠点を開発。バイオベンチャーや製薬企業など多様な事業者を誘致するとともに、住民との連携による商品開発・実証実験などを推進する計画。
こうした取り組みにより、オフィス、商業、住宅などの昼夜人口のバランス化を図るとともに、人口規模についても、30年にまち全体で居住人口2万6,000人(14年現在のの駅周辺エリア:約5,000人)、就業人口約1万5,000人(同:1,000人)、来街者数年間約1,000万人(同:700万人)を見込む。
同社代表取締役の菰田正信氏は、「30年に柏の葉は、郊外型スマートシティとして世界をリードするモデル都市となっていると自負している。当社は日本橋、日比谷など都心部などでもスマートシティ開発を実施しており、今後いかなる地域でもスマートシティを実現するビジネスモデルを確立し、国際展開していきたい」と語った。