積水化学工業(株)は10日、社長交代を発表した。
新・代表取締役社長には、現・同社取締役専務執行役員の髙下貞二(こうげ・ていじ)氏が就任。現・代表取締役社長の根岸修史氏は代表取締役会長に就任する。就任予定日は3月1日。
髙下氏は、1953年11月生まれ。76年同志社大学経済学部卒業後、積水化学工業(株)に入社。2003年4月名古屋セキスイハイム(株)代表取締役社長(兼)名古屋積水ハイム不動産(株)代表取締役社長、05年6月積水化学工業取締役、08年4月同社取締役常務執行役員住宅カンパニープレジデント、09年4月同社取締役専務執行役員住宅カンパニープレジデントに就任。14年3月より同社取締役専務執行役員CSR部長(兼)コーポレートコミュニケーション部長(現職)。
同日実施した会見では、今回の社長交代について根岸氏が「前中期経営計画が昨年で終了。現在、もう一段上の成長を目指し新中期計画に取り組んでいるが、変革と成長の第2ステップを新しい人に託す。外に向かっては2人で協力して事に当たっていく」などと語った。また高下氏について「手堅く確実、かつ大胆さを併せ持つリーダー。住宅カンパニーで6年間、厳しい経済状況の中、ブランド力の強化など、先頭に立ち事業を牽引してきた、その経営手腕と、傘下の統括経験により、グループ全体を舵取りできる最適な人物と判断した」と評した。
一方、次期社長となる高下氏は、社長就任の抱負として、営業利益率10%以上を目指す「さらなる収益力の強化」、新たな環境貢献製品の創出・拡販を目指す「イノベーション」、グローバルで事業を開拓する「フロンティアの開拓」の3つを掲げた。
具体的な取り組みとして、収益力の強化については、「住宅の着工戸数は早晩50万~60万戸になると思われるが、今後需要が間違いなくスマートハウスのトップランナーとして、5%・1万5000戸のシェアを目標に製品のブラッシュアップを図る」なとど述べ、今後2年間で約170億円を投入して全国7工場をリニューアルするとした。
また、イノベーションについては、社内外と共創し、すでに手掛けているフィルム型のリチウム電池等を形にしていくこと、フロンティアの開拓については、住宅事業におけるタイへの進出など、アジアを中心に海外での内需を対象にしたBtoC事業の拡大を図ることなどを中期計画の目標として掲げた。