(一社)日本CLT協会と(一社)日本ツーバイフォー建築協会は、国立研究開発法人建築研究所敷地内(茨城県つくば市)に実験棟を竣工。7日、報道陣に公開した。
CLT実験棟は、木造CLTパネル工法地上2階建て+ロフト階。延床面積166平方メートル。CLTパネル(ひき板を並べた層を板の方向が直交するように層を重ねて接着した木質パネル)の特質を生かした実験棟建設と居住性や耐久性等の性能検証を目的に建設した。全4種類のCLTパネルを用い、住宅のみならず大規模・大スパンの木質空間の可能性を追求する目的で幅2m、高さ6mのパネルを通し壁として使用し、開放感のある高い吹き抜け空間を実現。建物南側のテラス部分は1階居室から3mオーバーハングとした。また、内装はCLTを現しで使用し、木質厚板パネルの重厚感を生かしている。
ツーバイフォー6階建て実験棟は、初の木造6階建て建築物となるもので、枠組壁工法地上6階建て。延床面積206.09平方メートル。
高強度耐力壁や2時間耐火構造、CLTを含めた複数の床構法を適用し、施工・性能検証等を行なうのが目的。
今後、両実験棟では、建築研究所との共同研究として、さまざまな検証を行なっていく。
内覧会で日本CLT協会会長の中島 浩一郎氏は、「3月31日および4月1日にCLTに関する建築基準法に基づく告示が公布・施行されるなど、今年はCLT元年ともいえる年。今後につながるよう普及拡大に注力していく」と述べた。
また、日本ツーバイフォー建築協会会長の市川俊英氏は「ツーバイフォー工法オープン化から40年を経て、中高層ツーバイフォー建築の設計施工のための技術・ノウハウの蓄積・普及を図ることを目的に6階建て実験棟をつくった。今後は1~2年内に木造6階建ての実現を目指す」などと話した。