サブリースに関連する不正融資等が大きな問題となった女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を、若者支援をコンセプトとしたアパートメントの新ブランド「TOKYOβ」として運用するプロジェクトが、4月からスタートした。
米国投資ファンドのローン・スター・ファンドが、3月までに債務者の所有物件1,213物件を取得。うち、収益物件として運用可能な物件1,083物件・1万4,447戸を新ブランドに再生。運営体制やオペレーション、管理システムを刷新し、20歳代の若者を中心に貸し出す。運用会社はハドソン・ジャパン(株)、運用パートナーの(株)三好不動産は、(株)GGハウスマネジメント・(株)クロスハウスとともに、プロパティマネジメント業務を行なう。また、(株)ハステックが清掃業務を請け負い、1月より約150物件の清掃を開始。メインの清掃・修繕会社として、管理棟数を増やしていく。
「TOKYOβ」は、若年の入居者が経済的に自立したり夢を叶えるまでの「仮住まい」というコンセプト。東京23区内に1,083物件を展開、契約時の一時金なしで、家賃は3万~7万円台に設定した。同ブランド内の物件に空室がある場合は、簡単な手続きのみで住み替えが可能。6月より順次スマートロックを導入し、12月時点での全戸導入を目指す。また、起業をサポートするクラウドファンディング支援を行なうほか、電動キックボード・電動バイクのシェアリングサービスなど、入居者サービスも提供する。
現在の入居率は79%。プロパティマネジメント会社3社によるリーシングを強化し、90%にまで稼働率を上げたい考え。6月よりポータルサイト、SNS、YouTubeなどを活用し、入居者の獲得を強化していく。
8日、ハドソン・ジャパンと三好不動産が事業説明会を開催。ハドソン・ジャパン代表取締役社長の鏑木政俊氏は、「“不正融資”“被害者の会”といったマイナスの面がクローズアップされるが、ベースのビジネスモデルは魅力的だと考えている。約200社が管理していた体制を3社に集約し、運営体制や管理システムを一元化した。快適な住環境と、入居者のスキルアップや暮らしを充実させるサービスを提供していく」と抱負を述べた。三好不動産代表取締役社長の三好 修氏は、「われわれ賃貸管理会社は“居住支援”において、いかに生活弱者に対する協力ができるかを一つのテーマとしている。チャレンジする気持ちで運営パートナーに名乗りを上げた」と話した。