(株)長谷工コーポレーションは10日、2024年3月期決算(連結)を発表した。
当期(23年4月1日~24年3月31日)の売上高は、過去最高の1兆944億2,100万円(前期比6.5%増)、営業利益は857億4,700万円(同4.9%減)、経常利益は833億3,400万円(同5.6%減)、当期純利益は560億3,800万円(同5.5%減)。完成工事高と不動産売上高の増加で増収となったが、完成工事総利益率の低下により減益となった。
主力の建設関連事業は、分譲マンション建築工事を首都圏で59件、近畿圏・東海圏で24件、合計83件を受注。97件を竣工した。民間分譲マンションと賃貸マンション・社宅等の増加により、単体受注高は過去最高の5,369億円(同11.6%増)に。セグメント全体では、売上高7,765億円(同4.0%増)、営業利益は578億円(同13.6%減)にとどまった。
不動産関連事業では、分譲マンションの新規引き渡し、およびその他の不動産取扱量が増加。売上高1,282億円(同10.1%増)、営業利益192億(同0.8%増)を計上した。
サービス関連事業については、大規模修繕工事・インテリアリフォームの売上高がほぼ横ばいで推移。賃貸マンション運営管理・社宅管理代行では、新規受託が堅調に推移したことなどにより、運営管理戸数は両事業の合計で19万1,162戸(同5.5%増)となった。分譲マンション管理は、管理戸数が43万6,798戸(同2.1%増)に増加。その結果、売上高は2,675億円(同14.7%増)、営業利益は192億円(同28.5%増)の増収増益。
10日の説明会で、同社取締役副社長執行役員の楢岡祥之氏は、中期経営計画の進捗状況について、「21~25期の連結経常利益4,000億円に対する進捗は、4期間合計で3,253億円、進捗率は81.3%。最終期である今期は、工事利益率の低下と一般管理費の増加等による減益を見込み、連結経常利益1,000億円の達成は困難だが、5期合計で4,000億円は達成できる見込み」と説明した。また、「資材・労務価格が上昇している現状を事業者に丁寧に説明した上で受注をいただいている。25年3月期の後半頃には建設工事利益率の低下は底を打つのではないか」と話した。
次期は、不動産売上高の増加を見込むものの、完成工事利益率の低下と一般管理費の増加等により、売上高1兆1,800億円(同7.8%増)、営業利益820億円(同4.4%減)、経常利益800億円(同4.0%減)、当期純利益530億円(同5.4%減)の増収減益を予想。完成工事高は5,660億円、完成工事利益率は12.9%、単体受注高は5,800億円を見込んでいる。