千葉大学は17日、「ケミレスタウンプロジェクト」実験棟4棟の完成を受けた記念式典を開催した。
同プロジェクトは、シックハウスを起こす原因となる化学物質を極力削減したモデルタウンを同大学・柏の葉キャンパス内(千葉県柏市)に作り、健康に悪影響を与えない環境を整えるための各種実験を行ない、健康に暮らすことができるまち、より健康に暮らせることをめざす「未来世代のためのまちづくり」をめざすもの。
プロジェクトには、積水ハウス(株)、東急ホーム(株)、(株)エヌアールエーハウジング、(株)無添加住宅、(株)高千穂の5社が参画。「千葉大学環境健康フィールド科学センター」(千葉県柏市)内に、シックハウス症候群に対応した戸建住宅や、集合住宅を想定した実験棟数棟、環境医学診療科などが設置された「テーマ棟」を擁するモデルタウンを建設する。実験棟は、シックハウス症候群と疑われる子供とその家族の滞在が可能で、プロジェクト終了後はシックハウス症候群予防のための室内空気質の基準を、NPOケミレスタウン推進協会が提案する予定。
積水ハウスは、内部と外部の緩衝帯となる空間「コンサニタリー」を設けることで、外部からの花粉や化学物質侵入を緩和。東急ホームでは、同社ブランド「ミルクリーク」の仕様をベースに、化学物質を極力含まないエコロジー建材を活用する。エヌアールエーハウジングと無添加住宅は共同で、漆喰や米のりを家づくりに用いることで有害な物質を極力減少。高千穂では、火山灰シラスを活用し、化学物質を一切使わない自然建材のみの住宅を実現した。
式典の中で、千葉大学学長の古在豊樹氏は「このプロジェクトは、地元市民やハウスメーカー、そして千葉県の支援を受けて行なっており、社会的関心も大きい。柏の葉地区が世界に誇れるまちになり、ケミレスハウスがケミレスタウンへ、そしてケミレスカントリーへと広がっていくことを確信している」と語った。