ミサワホーム系のMRD全国不動産情報センター(運営:MRD(株))は25日、4大首都圏を中心とした2002年3月度の「MRD不動産流通市場調査」の結果を発表した。
同調査結果によると、首都圏については、春の需要期を迎えて「宅地」の市況は活発化している。また、「一戸建て」についても市況改善が一層進み、価格の先安感もいくぶん緩んでいる。「中古マンション」は需給状態で「買手の存在」を示す回答が7.5ポイント増加し、2年ぶりに3割台に回復した。
中京圏では、「宅地」の引合・成約件数ともに増加傾向となり、実際に購買行動を示す引合件数においても「増加」が8.7ポイント増え33.9%となった。また、「一戸建て」についても引合件数は17ヵ月ぶりに増加し、成約件数も「増加」が0.3ポイント増え「減少」をわずかながら上回っている。「中古マンション」については、他圏域に比べて改善が弱く、依然として低調な様子となっている。需給状態の「買手の存在」を示す回答は1割台であった。
近畿圏では、「宅地」の潜在需要が強く、引合件数は1年ぶりに増加に転じた。「一戸建て」は宅地に比べると潜在需要が弱いものの、顧客の購買行動は活発化し、引合件数は17ヵ月ぶり、成約件数は12ヵ月ぶりに増加傾向を示している。「中古マンション」については、引合件数・成約件数とも3ヵ月連続で減少し、依然として市況の改善が求められる結果となた。
福岡圏では、需給状態が低調で市況の改善も弱い「宅地に」に比べ、「一戸建て」は「買手の存在」を示す回答の合計が6割に増え、引合件数では「増加」が26.1ポイント増え35.6%となった。また、「中古マンション」についても引合件数・成約件数ともに増加し、特に成約件数の「増加」17.4ポイント増の22.2%となった。
全体的には全圏域で購買行動が活性化しており、好調な市況であるといえる。特に、次年度からの「金融公庫融資縮小」の影響を受けてか、福岡圏の「宅地」を除き、全圏域で「宅地」「一戸建て」市場の引合件数が増加傾向を示している。しかし、依然として先行き不透明な景気動向により需給状態の改善は芳しくなく、安定感のない市場となっている。