全米リアルター協会(NAR)のパトリシア・コム会長が、4日開催された日本の不動産業界団体との交流会出席のため来日。3日、専門誌記者と会見した。
コム会長は、いま世界中が注目している「サブプライムローン問題」の米国不動産市場への影響について、「サブプライムローンを使って不動産を購入しているユーザーは、全米の不動産取引の1割でしかない。私がビジネスをしているミシガン州では、同ローンが原因で差し押さえになった物件は1つもない。現在、不動産価格の下落しているフロリダ州やカリフォルニア州は、確かに影響があるが、基本的には『ウォールストリート』の問題だ」とした。
また、下落基調にあるとされている不動産価格については「アメリカの不動産市場は、極めてローカルなもの。全米の3分の2の州では、依然として不動産価格は上昇している。下落しているカリフォルニア州やフロリダ州も、価格が50%から100%上昇したものが、5%から10%下がっているだけで、すでに新しいバイヤーが目をつけている。これまでの上昇率を考えれば、全米平均で2%の下落はわずかなもの」とコメントした。
今後の不動産市場の見通しについては「アメリカの不動産市場は、好調・不調のサイクルが非常に短い。すでに、雇用統計には伸びが見られるし、ベビーブーマーの不動産取得ニーズは根強い。来年には、安定期に入り、来年秋ごろには取引量・価格とも回復するはず」とした。