大和ハウス工業(株)は12日、2011年3月期決算説明会を開催した。
同社は、4月1日より代表取締役社長に就いた大野直竹氏が新たな体制をスタートさせた。
当期(10年4月1日~11年3月31日)は賃貸住宅事業の売上高の増加等により、売上高は前年同期比5.0%増加。また、原価率の改善により、営業利益も前年同期比39.8%増加し、増収増益となった。12年3月期の業績予想については、東日本大震災の影響によって、現時点の算定が困難なため未定とし、6月10日に公表する予定。
また、現在作成中の新3ヵ年計画については、人員の見直しや経費節減の徹底ではなく、今後は無駄を省きつつ人材を増やして、事業拡大を図っていく方針。
「コア産業である住宅事業を、関東を中心に重点的に取り組んでいく。住宅は土着産業であるため、エリアに配慮して商品開発のマッチングを図っていく」(大野氏)。
震災の影響による、消費マインドの低下については、「3月の受注はキャンセルとなったものもあったが、4月は落ち着きを取り戻し、5月は例年並みに順調な動きをみせている」(同氏)とした。
なお、仮設住宅の建設ついては、現在、資材の用意はあるものの、土地が決まらずに作業が難航している状況で、同社では、被災地の復興を優先して、早急に応急仮設住宅の建設を進めていく、としている。
その後、帝国ホテル東京(東京都千代田区)で開かれた懇親会で挨拶した、同社会長・樋口武男氏は「東日本大震災では、“地震”、“津波”、“原発”と大きな被害が出ているが、経済の立て直しが困難になるので、“4次災害”である風評被害の広まりは何としても避けたい」と述べた。また、「住宅産業は4兆8,000億円の経済効果があり、4,000億円の税収にもなる。景気対策の柱として住宅産業の活性化に取組んでいきたい」などと語った。
なお、同社11年3月期決算に関するニュースはこちら。