不動産ニュース / 開発・分譲

2011/7/12

エコ・コンパクトシティめざし、自然エネルギー活用やエネルギー最適制御など構築/「柏の葉キャンパスシティ」が次世代まちづくり構想

まちづくりに参画する公民学のメンバーたち(左から柏市長・秋山浩保氏、三井不動産(株)代表取締役会長・岩沙弘道氏、東京大学総長・濱田純一氏、千葉大学学長・齋藤 康氏、三菱総合研究所理事長・小宮山 宏氏)
まちづくりに参画する公民学のメンバーたち(左から柏市長・秋山浩保氏、三井不動産(株)代表取締役会長・岩沙弘道氏、東京大学総長・濱田純一氏、千葉大学学長・齋藤 康氏、三菱総合研究所理事長・小宮山 宏氏)
「柏の葉キャンパスシティ」全景イメージ
「柏の葉キャンパスシティ」全景イメージ

 次世代型のまちづくりをめざしている「柏の葉キャンパスシティ」(千葉県柏市)の開発を手がける三井不動産(株)や柏市、千葉県、東京大学、千葉大学などは12日共同会見し、今後の取組みをはじめ、新機軸や新技術の導入計画について明らかにした。

 つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅周辺で開発が行なわれている「柏の葉キャンパスシティ」は、社会的課題である「エネルギー・地球環境問題」、「超高齢社会」、「日本経済再生」という3つの課題解決をめざして、公民学の連携により、市民参加型の社会実験を繰り返しながら、最先端の技術やサービス、システムをまちに実装している。

 スマートシティの実現に向けては、企業や大学、地元自治体との連携により、省エネ建物の開発のほか、さまざまな地域レベルでのエネルギー最適化制御が行なわれる。2014年春の竣工をめざし、駅前に開発される148街区では、都市の未利用エネルギーを活用。太陽光発電システムのほか、生ごみバイオ発電やガス発電を行ない、同時に発電の廃熱、地中熱、温泉熱、太陽熱を空調や給湯に利用する。

 また、地域全体の発電量・受電量・消費電量を一元管理する「エリア・エネルギー管理システム(AEMS)」も新たに構築し、各住宅・施設に分散する発電設備、蓄電設備、電気自動車等をネットワークに統合。エネルギーを時間帯や各施設の需給状況に応じて融通し合うことで、まち全体でのエネルギー最適運用制御を実現する。

 東京大学柏キャンパスには、高齢社会問題の課題解決をめざして学際的活動を行なう「高齢社会総合研究機構」の老年学研究拠点を新設。在宅医療・ケアの推進、生きがい就労の創成、暮らしやすい住まいと移動手段の構築などを、社会実験研究を実施していく。

 また13年度には、新たな事業・研究領域の開拓に向け、産官学の共同研究と社会実験を進める中心拠点「東京大学フューチャーセンター」が148街区にオープンする。実験のデータベース化や、共通課題の解決、社会連携手法の体系化と教育を行ない、これらの成果は全国展開し、新たな輸出産業として世界に展開していく。

 同日会見した三井不動産代表取締役会長・岩沙弘道氏は「『柏の葉キャンパスシティ』は、敷地面積が限られた都市部でも、エネルギーの創出・効率利用を実現する、エコ・コンパクトシティの新たな試みとなる。さまざまな社会的課題を先駆的に解決していくまちとして、震災から復興に向かう東北地方をはじめ、全国・全世界に世界未来像を提案していき、次世代型のまちづくりモデルを広げていきたい」などと抱負を述べた。

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年1月号
地域で目立つ企業になるには…
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/12/23

「記者の目」を更新しました


テナント間で『向こう三軒両隣』」を更新しました。ご近所さんと助け合いながら暮らす大切さや文化を表す言葉、「向こう三軒両隣」。近年この言葉が、商業施設のテナント間でも意識されるように。ビジネスライクな関係性を抜け出し、有事の際にも備えた関係性構築の大切さが再認識されています。