一般社団法人不動産協会は6日理事会を開き、「平成25年度税制改正要望」を決定した。
同要望では、消費税率引き上げ時の対応として、「住宅取得に係る税負担をこれ以上増加させないことを基本とすべき」と明記。消費税の枠内で負担軽減措置をビルトインすることが必要であると、具体案として「消費税5%を超える分の消費税額を住宅購入者に還付する措置の創設」を提案した。このほか、不動産取得税の廃止や登録免許税の手数料化等、不動産取引に係る多重課税についても解消を求めている。
一方、住宅・都市分野の成長戦略の加速化を図るため、(1)都市再生促進税制の延長、(2)市街地再開発事業に係る特例の延長、(3)事業用地適正化計画に係る税制上の特例の延長、(4)都市の防災機能強化を図るための特例の創設等を要望。不動産投資の活性化を図るため、土地の売買等に係る登録免許税の特例の延長や、JREIT等の登録免許税および不動産取得税の特例延長等についても要望していく。
理事会後会見した同協会理事長の木村惠司氏は、「消費税率が引き上げられた場合、住宅の取得に関しては、不動産流通税の軽減や住宅ローン減税の拡充といった措置では不十分であり、税制の枠内で負担を増やさない措置が必要。すべての住宅を対象とした還付制度が、一番簡便な方法だと考えている。日本経済団体連合会や各関連団体等と連携しながら、国土交通省等に働き掛けていく。ユーザーの混乱を回避するためにも、早急に決着してほしい」等と語った。