政府与党が12日に発表した「平成26年税制改正大綱」について、各業界団体のトップから、以下の通りコメントが発表された。
【業界団体】
(一社)不動産協会(RECAJ) 理事長 木村惠司氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連) 会長 伊藤 博氏
(公社)全日本不動産協会(全日) 理事長 林 直清氏
(一社)不動産流通経営協会(FRK) 理事長 竹井英久氏
(一社)不動産証券化協会(ARES) 会長 岩沙弘道氏
(一社)住宅生産団体連合会(住団連) 会長 樋口武男氏
12日決定された「平成26年度税制改正大綱」では、新築住宅に係る固定資産税の軽減特例の延長、老朽化マンションの建替え等の促進に係る特例の創設・延長などの住宅税制、都市・土地税制について、当協会の主要な要望が認められ評価している。ご尽力頂いた関係各位に対して、厚く御礼申し上げたい。
国家戦略特区における新たな税制支援措置については、今回、医療分野だけが対象となったが、特区の具体的な内容について検討が進んだ段階において、必要に応じ追加することとされており、今後は都市の国際競争力の分野にも支援措置が拡充されることを期待している。
消費税の軽減税率制度については、税率10%時に導入し、今後、対象品目の選定等、検討することとなったが、社会資本財である住宅についても、住宅取得の負担軽減を安定的に実現するために、5%の軽減税率の適用をぜひともお願いしたい。
我が国経済が緩やかに回復しつつある中、今回の税制改正を踏まえ、当協会としても、成長戦略の実現に向け、魅力的なまちづくりや良質な住宅の供給等を通じ、貢献して参りたい。
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連) 会長 伊藤 博氏
今回の税制改正では要望していた特例措置がすべて延長され、消費増税の影響が懸念される住宅分野に対し相当なご配慮をいただいた。大いに感謝したい。別途措置された「すまい給付金」の活用とあわせて、我々業界としても住宅市場の活性化に全力を注いでいく。また、中古流通促進の目玉と考えていた買取り再販の特例措置については、大変厳しい状況ではあったが、消費者に対する登録免許税について一部軽減措置を講じていただいた。これをきっかけに、来年以降さらなる充実を図れるよう引き続き研究・提言をしていきたい。
わが国が持続的な成長を遂げるには、不動産流通市場の活性化が重要であり、贈与税の非課税措置の創設や所有権移転登記に対する登録免許税の本則税率の改正等について、引き続き、政府にて検討をお願いしたい。
今回発表された税制改正大綱は、アベノミクス「第3の矢」としての成長戦略を後押しし、デフレ脱却に向けての景気回復の足取りを確固たるものにしていくことを念頭において策定されたものと捉えている。
今回創設がなされた「個人が、宅地建物取引業者より一定の増改築が行われた住宅用家屋を取得する場合の登録免許税の軽減措置」および「新耐震基準に適合しない中古住宅を取得し、入居前に新耐震基準に適合するための改修を実施する場合の各種特例措置」については、フロー拡大からストック充実に向けての質の高い住宅ストックの形成および中古住宅・リフォーム市場の拡大・活性化に向け、意義有るものとして歓迎したい。
また、新築住宅に係わる固定資産税の減額措置、譲渡損失の繰越控除の特例、不動産取得税に関する特例措置、特定の居住用財産の買換え特例、認定長期優良住宅に係わる特例など、期限切れとなる住宅取得に関する特例措置の延長が図られたことについては、足元の不動産流通市場の回復基調を後押しし、フローからストックへの流れを下支えするものと評価したい。
言うまでもなく、住宅投資は経済や雇用への波及効果が高く、内需の柱として経済成長に果たす役割は極めて大きい。そして、住宅投資拡大には不動産流通市場の活性化が不可欠であり、税制はその一丁目一番地である。政府の成長戦略のなかに掲げられている中古住宅流通・リフォーム市場規模の倍増の実現に向けて、市場の実態に即した税制上の支援を今後も期待したい。
最後に、今般の税制改正にご尽力をいただいた、政府・与党の関係者の皆様に厚く御礼申し上げたい。
不動産投資市場は、資金の循環を通じて都市再生や地域活性化を促進することで、安倍政権が掲げる成長戦略を推進し、日本経済の成長を牽引する役割を担っている。
平成26年度税制改正大綱においては、当協会が要望した「投資法人の導管性要件の改善(正ののれん償却額の処理の改善)」が措置された。Jリートの合併・再編を促すことで、市場の活性化に寄与するものであり、高く評価したい。
一方、「投資法人等における税会不一致による二重課税を防止するための、みなし配当算出方法の見直し」については、平成27年度税制改正に向けて検討することが明記された。税会不一致の問題は、導管性要件に関わる根本的な課題であり、来年度の税制改正で確実に措置していただくようお願いしたい。
ご尽力いただいた関係者の方々には深く感謝を申しあげる。
Jリートは、来年開始となるNISA(少額投資非課税制度)に適した金融商品であり、安定配当による国民の資産形成に寄与することが期待されている。
当協会としても、Jリートをはじめとする不動産投資市場の活性化により、わが国の経済成長に貢献するべく、一層使命感をもって取り組む所存である。
平成26年度税制大綱の住宅関連税制では、住団連が要望していた各種の租税特別措置などが決定され、評価できる税制改正大綱であり、関係者のご努力に敬意を表したいと思います。
今後、消費税の軽減税率の導入について具体的な議論がなされることになると思いますが、住宅は国民生活の基盤であるという観点から、軽減税率の対象には住宅も入れて頂くよう引き続き強く要望してまいります。
来年4月の消費税率引き上げに当たっては、住宅取得について駆け込み需要と反動減を緩和するための住宅ローン控除制度の大幅な拡充等と「すまい給付金」による負担軽減策が講じられることとなっています。
消費税率引き上げ後の景気動向はまだ不透明です。引き続き市場動向を注視しつつ、内需の柱である住宅市場への税制・財政・金融面での、慎重かつ大胆な判断と機動的な対応を求めていきたいと考えています。