国土交通省は14日、「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験のためのガイドライン」を公表した。
今年1月に発表した「ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」の最終とりまとめでは、重要事項説明におけるIT活用にあたり、社会実験により試行した上で、その結果を検証するとされた。今回のガイドラインは、その社会実験を実施するにあたり、事業者の責務等を示すために作成したもの。
「IT重説」を行なう事業者は、国土交通省所定のホームページにて参加登録の申請を義務付ける。宅地建物取引士(以下、宅建士)のなりすまし抑止のため、IT重説実施を予定する宅建士の登録も求められる。
実験対象となる取引は、賃貸取引および法人間取引とし、利用する情報ツールは「テレビ会議」など動画と音声とを同時かつ双方向でやりとりできるものとし、電子メールのみのやりとりは対象外とする。
IT重説では、宅建士の記名押印をした重要事項説明書を事前に交付し、IT重説について相手方の同意を得る。さらに相手方の記名押印のある同意書を取得する。また、契約当事者である貸し主等からも、同様の方法で事前に同意を得ることを義務付ける。
重要事項説明にあたっては、パソコンのソフトウェア、ビデオカメラなどによる録画・録音のどちらも可能とし、「録画される映像は、説明の相手方・宅建士の顔・表情が判別でき、提示される身分証・宅建士証の記載内容が確認できる品質で、映像には顔の一部だけではなく全部が映るようにする必要がある」とした。相手方のIT環境についても、必要な表示や音声のやりとりができるかどうか、事前の確認が必要。
宅建士証の提示については、表示されている宅建士証の顔写真と説明者の顔が同じであることを声に出して答えてもらった上で、宅建士証記載の氏名等を読み上げてもらい、さらに宅建士証の提示を受けた旨についても答えてもらうことで確認するものとした。
IT重説説明後は、その情報を管理すると共に、国交省に対し実施状況を月次で報告。トラブル・クレームが発生した際には随時報告を義務付ける。
なお、社会実験の期間は、後日公表される。