自民党議員342名が所属する自民党賃貸住宅対策議員連盟(ちんたい議連)は16日、平成28年総会を開催。賃貸住宅・管理業界団体の要望などを受け、「適正な民泊」の普及を目的とした決議案を満場一致で承認した。総会には、所属議員のほか、各業界団体役員や省庁の実務者なども出席した。
民泊に係る決議では、次期国会に提出される予定の民泊新法において、「少なくとも180日の営業が可能な制度として、法律に明記すること」を求めた。ほかにも、利用者と周辺環境の安心・安全のため、「宅建業、旅館業、旅行業、管理業」など、各業法の免許を得ている者を事業登録者とすること、共同住宅や空き家を民泊に転用する場合は、従来の簡易宿所とは別類型で法制化し、手続等を簡素化すること、空き家の有効活用と民泊の転用を促進するため設備や工事にかかる費用を助成する制度を新設することなどを盛り込んだ。
また、全国賃貸住宅経営者政治連盟の平成29年度重点要望事項を確認。要望事項では、家賃・共益費への消費税非課税の継続、民間賃貸住宅ストックの住宅セーフティネットとしての活用、住宅扶助費等は原則家主等へ直接支払う「代理納付」とすること、民間賃貸マンションの大規模修繕積立金を課税対象から外すことなどが盛り込まれている。
全国賃貸管理ビジネス協会会長の高橋誠一氏は「民泊新法により、合法的に民泊ができる仕組みづくりをしていただき、その普及促進について、今後も協力していきたい」と挨拶した。また、(公財)日本賃貸住宅管理協会会長の末永照雄氏は「違法民泊には、管理会社も頭を悩ませている。民泊新法の早期国会提出をお願いしたい」と訴えた。
また、国土交通省住宅局長の由木文彦氏は「民間賃貸住宅のセーフティネット化については、関連予算を次年度予算に盛り込む。また、賃貸住宅の大規模修繕積立金については、その実態がどうなっているかを賃貸住宅関連団体の協力を得てヒアリングしていきたい」とした。
ちんたい議連会長の石破 茂氏は「民泊新法については、来年常会に提出する。法案策定にあたっては、地域の事情を反映させていくのは当然だが、管理業と旅館業それぞれにメリットのある制度として構築していく」と語った。