不動産会社向けの教育・研修事業を手掛けるJRC(株)(東京都新宿区、代表取締役:斉子典夫氏)は3日、「アルカディア市ヶ谷」(東京都千代田区)で、「2017年・JRC新年度トップ経営セミナー『洞察力・構想力・実行力で新しい成長戦略を創出する』」を開催した。
第1部では、ベンチャーファンド運営のイノベーション・エンジン(株)代表取締役社長の佐野睦典氏が「日本復活の時!第四次産業革命をチャンスに~洞察力・構想力・実行力で勝機を捉える」をテーマに講演。同氏は、AIやIoT、ナノゲノム、バイオといった近年「第四次産業革命」と呼ばれる技術革新について説明し、「部品・材料産業に優位性を持つ日本の成長のカギになる」と話した上で、「第四次産業革命で生まれる新産業群を、いかに自社の事業に取り込んでいくかが会社の成長を左右する」などと語った。
その後、第2部として、住生活コンサルタントで(株)風代表取締役の大久保 恭子氏が「どうする?親の家の空き家問題」と題して講演した。同氏は、空き家となった「親の家」の現状や制度について説明。“売る・売らない・相続放棄・寄付”などの選択肢についてのポイントを紹介した。「地方では、売却したとしても仲介手数料が低く、ビジネスにならない。仲介だけではなく、有活提案などのコンサルティングが求められていく。空き家を1戸単位で見るのではなく、地域単位で不動産を見ていくことがビジネスになっていくだろう」と話した。
最後に、斉子氏が「新時代に生き残る人材と地域密着戦略のポイント~地域と共に歩む、最後までやりきる人材づくり」をテーマに人材育成や地域密着の経営手法の実践について語った。「新卒の約3割が3年以内に退職していく。定着率を上げるためには、自己の成長を感じられる職場が必要となる。そのためには、部下に関心を持ち、情報の共有とケアをし、部下の成長をサポートする課題を明らかにすることが必要だ」などと語った。
地域密着戦略については、地域でのコミュニティづくりに積極的に取り組むことが重要とし、「地域課題のソリューション提案がビジネスチャンスになる。地域を限定し、さまざまな人とさまざまな手段で接触することが大切だ」などと話した。