2024/07/26 18:00更新
東急不、蓼科に地域共生施設の第6弾を開業









「TENOHA蓼科」外観。別荘管理事務所を改装したもので、建物とデッキ、手前の広場を地域住民等にも開放し、さまざまなイベントを展開していく




リゾートタウン内の森林の間伐材や廃材を再利用してオリジナル商品として販売する



 東急不動産(株)は26日、地域共生施設「TENOHA(テノハ)」の第6弾となる「TENOHA蓼科」(長野県茅野市)をオープンした。同社が半世紀以上にわたりリゾート事業を手掛けてきた蓼科エリアの活性化や地域課題の解決を図る拠点として運営。脱炭素・生物多様性・循環型社会への取り組みと併せ、地方リゾート地での環境共生を実現していく。


 同施設は、敷地面積約664ha、別荘2,400戸や3つのホテル、ゴルフ場、スキー場などからなる「東急リゾートタウン蓼科」の別荘管理事務所を改装した地域共生施設。外壁や内装、家具、什器はタウン内から出るカラマツの間伐材や廃材を使用。施設内では、蓼科での環境共生への取り組みの情報発信のほか、間伐材や廃材を使ったオリジナル商品を販売する。


 施設前面の広場を含め地域に開放し、地元企業や飲食店のPRイベント、来街者と地域の交流の場として運営。地域資源を活用した新産業の創出や茅野市の関係人口創出に、地元自治体や地元企業と共に取り組んでいく。また環境教育の場として企業や学校の見学も受け入れていくほか、各地のテノハと連携して各地方の地域共生や環境の取り組みも相互に発信する。


 同社では、生物多様性、自然の重要性・十全性が高いエリアとして、都市部の広域渋谷圏と地方のリゾート施設を定め、優先的に環境共生に取り組んでいく。蓼科ではCO2が固定できないカラマツ等の老齢林を年間2haずつ間伐・伐採。それらを地元企業の手を借りて家具等に加工。枝葉などもアロマキャンドルやオイル、お茶などに加工して販売する。レストランの食残渣をたい肥化し、ハーブや野菜、果樹の栽培に使用。さらに地元農家にもたい肥を提供し、その農家の作物を仕入れることで、循環型の地産地消を実現している。


 また、ゴルフ場で使うお湯を間伐材チップを使って沸かすボイラーに、新たに排煙中のCO2を吸収・固体化する装置を追加。「カーボンマイナス」を実現した。今後は森林を活用した産業をさらに拡大すべく、エリア内に地元企業との協業による間伐材や廃材の処理施設も設け、リゾートタウン周辺の財産区有林の間伐材等を受け入れ、再利用に協力していくことも検討していく。


 同社は、こうした環境への取り組みを新たな事業機会の拡大手段と位置付けており「環境にやさしい施設としてイベント等の会場に選ばれたり、環境への取り組みが評価され事業パートナーを打診されたりといった成果が出てきている」(同社サステナビリティ推進部部長・松本 恵氏)という。












レストランの食残渣をたい肥化し、ハーブや野菜、果樹の栽培に使用




ゴルフ場で使うお湯を間伐材チップを使って沸かすボイラーに、新たに排煙中のCO2を吸収・固体化する装置を追加。「カーボンマイナス」を実現した




26日の昼には地元店舗が軒を並べてのマルシェを開催。ホテル宿泊者や地元住民らが多数訪れた




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