2025/02/07 18:00更新
管理・再生の円滑化等の実現へ/マンション政策小委

 国土交通省は14日、「社会資本整備審議会 住宅宅地分科会 マンション政策小委員会」(委員長:齊藤広子横浜市立大学国際教養学部教授)の4回目となる会合を開催。新たなマンション政策のあり方について、パブリックコメントによる意見募集を実施した結果を踏まえ、とりまとめに向けた審議を行なった。


 パブリックコメントは、2024年12月26日〜25年1月24日に実施。31の個人・団体から寄せられた意見は合計154件。「管理不全マンションの再生の困難性を明示すべき」「地方公共団体の権限強化の前提として、マンションが社会的資本であることを明示すべき」「管理業者管理者の要件には、マンション管理士のほか、弁護士や公認会計士などの専門家も想定される」などの意見が、とりまとめ(案)に追加・掲載された。


 とりまとめ(案)では、当面取り組むべき施策の方向性として、(1)マンション管理適正化を促す仕組みの充実、(2)多様なマンション再生ニーズに対応した事業手法の充実、(3)地方公共団体によるマンション管理適正化・再生円滑化への関与の強化・充実、を示した。


 (1)では、「管理計画認定制度の拡充等」を挙げ、管理計画認定を見える化するための措置を講ずるとともに、管理組合の意向に応じて管理に関する詳細な情報についても公表が可能となる仕組みを検討するべきとした。また、管理業者が管理者を兼ねる場合には、管理者受託契約に係る重要事項の区分所有者への説明や、自己取引や関連会社との取引を行なおうとする際の区分所有者への事前説明を義務付ける等の措置を講ずるべきとしている。
 (2)については、区分所有法の見直しへの対応を挙げるとともに、多様な建て替え等ニーズへの対応を提示。マンション建替型総合設計制度について、容積率のほか、市街地環境に支障がない範囲で、斜線制限等の高さ制限の特例措置を設けるべき、隣接地や底地の権利者との合意形成を促進するための措置を講ずるべきとした。
 (3)では、マンションの管理状況の把握や勧告後の対応を可能とするような仕組みの創設など、「地方公共団体の権限強化」を挙げた。また、マンション管理組合への支援を行なう民間団体の登録制度を導入するとともに、関連する専門家の育成を推進し、地域全体で管理組合を支援する体制の強化を図るべきとしている。


 同省住宅局長の楠田幹人氏は、「マンションをめぐる『2つの老い』等に対応し、良好な居住環境の確保を図るためには、新築から再生・解体に至るまでのライフサイクル全体を見通して、マンションの管理適正化、再生円滑化等を図ることが必要。最終的なとりまとめの結果を踏まえ、関係機関とともにしっかりと取り組んでいく所存。法的な措置が必要なものについては、開会中の国会に提出する予定の法案の中に盛り込んでいく。当面取り組むべき施策の方向性は定まったが、今後も継続的に議論していくことが大切」と話した。


 今後は、当会合で挙がった委員の意見を集約し、とりまとめ(案)を修正。座長が確認後、最終とりまとめとして同省ホームページで公開する予定。



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