(財)日本不動産研究所と三鬼商事(株)の共同研究会である「オフィス市場動向研究会」は7日、2011~20年の東京・大阪のオフィス賃料予測を発表した。東京都心5区の基準階面積100坪以上のビルにおける10年までの成約事例と、大阪ビジネス地区の延床面積1,000坪以上のビルの成約事例をもとに、中期経済予測のマクロ経済データを加えて分析、今後10年間の賃料および空室率を予測したもの。
東京ビジネス地区では、1985年を100とした賃料指数が2011年に過去最低の88(前年比▲4%)となるが、12年が震災復興需要等で若干回復。空室率のピークは10年だが、12年までは8%前後で推移すると予測。13年以降は新規供給が過去平均程度で、マクロ経済もある程度回復すると予測され、賃料は年率3~5%上昇が継続し、空室率も緩やかに低下する。16~20年には、空室率は5%前後まで低下するが、経済成長率の予測が年率1%強と低いことから、賃料も年率2~3%の上昇にとどまるとみている。
大阪ビジネス地区は、09年、10年の新規供給が多いため11年は6%、12年は2%程度賃料が下落し、賃料指数は84となる。空室率のピークは2010年だが11%台が続く。また、13年の大阪駅北地区での大量供給による影響は早めに現れ、賃料は12年に底を打ち、空室率も少しずつ低下する。その後、賃料は年率2%程度上昇し続け、空室率はゆっくりと低下して20年には7%程度となる。ただし、経済成長率の予測が年率1%強と低いことから、賃料は年率2~3%の上昇にとどまると予測している。